「お前はお前の存在を許すのか」 「クビシメロマンチスト」を読んでみて
お疲れ様です
ポンコツ推理連発の河童の太郎ですm(__)m
今回紹介するのはこちら
<内容>
「鴉の濡れ羽」での事件から2週間後、「ぼく」はクラスメイトの葵井巫女子から彼女の親友である江本智恵の誕生日パーティーに誘われる。パーティーの誘われた夜、偶然、いや必然的に世間を騒がせる連続殺人犯・零崎人識(ぜろざき ひとしき)と出会う。その出会いが「ぼく」の日常を再び崩すことになるとは知らずに・・・・。
欠陥製品「ぼく」と人間失格・零崎人識が協力し、奇妙な絞殺死体の謎に挑む。
「戯言シリーズ」第二弾。
●本書を通しての感想
結論から言うと 前作「クビキリサイクル」に比べ
非常に後味が悪い終わり方であった・・・
その原因の一つとしては 本書の「語り部」である「ぼく」の歪んだ性格にあるのかと。
本書では「ぼく」は零崎人識に<欠陥製品>と名づけられるが、その呼び名は案外間違いではない。思いやりなど感情の欠落、人の死における感覚の欠落など欠けている部分が多く、人を落ち着かせない性格でもある。今回の殺人事件の一つも彼の歪んだ性格が起因であったかもしれない。読んでる途中で犯人実はこいつじゃないか・・・と思ったりもしました(笑)
私が本書で気になったポイントととしては
カラオケボックスでの「ぼく」と零崎の「人の死」についてのやりとりである
殺人を繰り返す零崎と人殺しを許容できない「ぼく」。
共通するのは「他人の気持ちがわからない」ということ。
この二人の「人を殺すのはどんな気持ちなのか」「人の死とは」といった答えの出ない会話は鮮明に記憶に残っています。
作者も述べていますが 本作品は一言でいうと人殺しの話です。
単に殺人事件を解決する少年探偵の話ではなく
目的を見失った殺人鬼と手段を見つけられなかった殺人犯の話だということ
あまり暴力的な表現が得意でない方はお薦めできないかもしれません
「戯言シリーズ」第二弾ですが、第二弾から読んでも内容はついていけると思います!
<印象に残った言葉>
同情でき、憐憫を感じ、そして同調できる。しかし、いいことばかりではない。
なぜなら、他人を羨望し、嫉妬し、羨むのも、他人に感情移入ができるがゆえ
「他人の気持ちがわかること」それはメリットにもなればデメリットにもなる。p317
<お薦めの人>
・「物語シリーズ」などの西尾維新の作品を読んだことがある方。
・推理小説をある程度読んだことのある人
今回はここまで('ω')ノ